こんにちは、ひろけんです。
こちらの記事をご覧いただいているということは、無保険車にぶつけられた経験がある、もしくは無保険者にぶつけられ、現在も示談交渉中という方なのでしょう。
この記事では実際に日頃から事故対応をしている筆者の経験を元に、 無保険車にぶつけられてしまった場合の具体的な対応方法についてわかりやすく説明しています 。
筆者のプロフィールについては下記のリンクからご覧ください。
無保険車とは?
無保険車とは基本的に任意保険が掛けられていない車を指しますが、中には車検切れで自賠責保険も切れている車も存在します。
また、 任意保険の加入率は70%~80%程度 と言われていますので、5台に1台は無保険車と考えることができます。
ちなみに任意保険は掛けてあるが、補償対象外の人が運転している場合も無保険車と言えるでしょう。
例えば、運転者の範囲が35歳以上補償で本人・配偶者限定なのに20歳のこどもが運転してしまうような場合です。
もし、20歳のこどもが運転する場合は事前に年齢条件と運転者限定の範囲を変更する必要があります。
それを怠ると日頃からしっかり保険を掛けていても無保険車化してしまう可能性があるということです。
思い当たる人は十分に注意しましょう!
無保険車にぶつけられたら?【物損編】
無保険車にぶつけられたと一言に言っても、完全に被害事故である0:100のケースと少なからず自分にも過失のあるケースが考えられます。
今回は0:100事故編ですので、そのケースに限定してお話したいと思います 。
結論から言うと対応方法は以下の2通りになります。
- 車両保険の使用(無過失事故の特約)
- 弁護士費用特約の使用
車両保険の使用(無過失事故の特約)
一番簡単な対応方法は 自身の車両保険を使うこと です。
ですが、あなたはこういった疑問をお持ちではないでしょうか?
どうして自分の保険を使わなきゃいけないの?
保険を使ったら保険料が高くなっちゃうよ。
おっしゃる通りです。
通常であれば、車両保険を使用すると次回の更新時に保険料が高くなります。
しかし、今回のケースでは0:100の被害事故であること。
これがポイントになります。
実は車両保険には【無過失事故の特約】という特約が自動付帯されています。
この特約は 0:100の被害事故であると立証されている事故に限り 、自身の車両保険を使用しても次回更新時の保険料の割引には一切影響しないという優れた特約です。
損保各社で名称が多少異なりますが、補償内容は一緒です。
大手損保の4社では下記のような名称の特約になっています。
保険会社名 | 特約の名称 |
東京海上日動 | 無過失事故に関する特約 |
損保ジャパン | 無過失事故の特則 |
三井住友海上 | 車両保険無過失事故の特約 |
あいおいニッセイ同和 | 車両無過失事故特約 |
ただし、注意しなければいけないのは0:100の被害事故が立証されているということ。
ようするに客観的に状況が証明されている必要があります。
自動車事故では 無責3条件 といって、 確実に0:100となるケース が 3つ 存在します。
それは以下の通りです。
- 完全停止中の事故(追突、逆突など)
- 赤信号無視
- センターラインオーバー
これらのケースは被害者であれば基本的に0:100の過失割合となります。
ちなみに完全停止というのは停止してから3秒~5秒以上と言われています。
事故の交渉で「私は停まっていた!」と主張される方がよくいますが、 事故直前の停止は停止の扱いになりません のでご注意ください。
各保険会社も事故の状況を見て、客観的に完全停止が予想できる状況(無人車である、信号待ちである、一時停止標識前で一時停止中、駐車区画内で止まっている等)でなければ簡単に認めてはくれません。
もしそれを立証したいのであればドライブレコーダーを設置することが望ましいでしょう。
弁護士費用特約の使用
車両保険が付帯されていれば上記のような対応で問題ないでしょう。
では、車両保険が付帯されていなかったらどうすればいいいのか?
そんな時は 弁護士費用特約 を使用しましょう。
保険会社を通じて弁護士に依頼すれば、法的手段に乗っ取って賠償金を請求することができます。
とは言っても、相手にしっかりと賠償金支払いの意思がある場合は使う必要もないでしょう。
使う場合は以下の通りです。
- 相手が賠償金の支払いに応じてくれない 。
0:100の被害事故の場合はそれ一択です。
その理由をこれから説明します。
まず、 基本的に被害事故のとき保険会社は動けません 。
だって、支払う保険金が発生しないのですから。
保険会社が動けないのですから、弁護士先生に動いてもらうしかありません。
弁護士の法的な立場から賠償金の回収を目指す形にはなりますが、その人の給与を差押えして回収をはかるのか、金融機関でローンを組んで返済してもらうのかやり方は様々です 。
いずれにしても想像以上に時間と労力が掛かります。
それに弁護士費用特約を使ったからと言って、必ずしも事故が解決するとは限りません。
はっきり言って、取れないものは取れません 。
そ、そんな…。
筆者の体験談でお客さんが無保険車にぶつかられた事故があったのですが、その加害者は住所不定無職。
身よりもなければお金もありません。
もちろん、そんな人に金融機関はお金を貸してもくれません。
今も未解決となっています。
無保険車にぶつけられたら?【人身編】
ここまで無保険車にぶつけられた場合の物損の対応方法について説明しました。
それでは無保険車によってケガをした、もしくは死亡・後遺傷害を負ってしまった場合はどうでしょうか?
それは以下のようになります。
- 人身傷害保険の使用
- 無保険車傷害保険(特約)の使用
基本的にケガについては自身で加入している人身傷害保険で対応します。
そして、支払った費用を保険会社が相手方へ求償する流れとなります。
人身傷害保険については3,000万~5,000万で設定されている方も多いかと思いますが、 無制限 に設定することも可能です。
相手車が無保険だった場合に十分な補償を受けられない可能性を考えると、無制限にしておくのも選択肢になるかもしれませんね。
また、無保険車傷害保険もしくは無保険車傷害特約という名前を聞いたことがあるでしょうか?
基本的に自動車保険に自動付帯されているケースがほとんどですが、無保険車との事故に遭遇し、死亡・後遺障害の状態となった場合に限り補償をしてくれる特約になります。
損保各社で補償内容が多少異なることがありますが、大手の損保会社では以下の通りになります。
保険会社名 | 特約名 | 補償額 |
東京海上日動 | 無保険車事故傷害特約 | 2億円 |
損保ジャパン | 無保険車傷害特約 | 無制限 |
三井住友海上 | 無保険車傷害保険 | 2億円 |
あいおいニッセイ | 人身傷害保険に含む | 2億円 ※条件付きで無制限 |
大手の損保各社では 2億円 が標準となっており、損保ジャパンは 無制限 としているようです。
また、東京海上日動・損保ジャパン・三井住友海上では人身傷害保険とは別枠で補償を設定しているようですが、あいおいニッセイでは人身傷害の補償の一部として組み込んでいるようです。
もし、人身傷害を無制限で設定されている場合は無保険車傷害の補償の2億円を超えた部分については無制限での補償となりますのでご安心ください。
また、人身傷害保険や無保険車傷害特約は使用しても翌年以降の保険料の割増しに影響しないので覚えておくといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
無保険車との事故、恐いですよね。
まとめると以下のようになります。
- 車両保険があれば無保険車相手でも最強!ノーストレス!!
- 弁護士費用は頼りになるけど、どうにもならないときもある。
- 人身傷害保険を無制限にしておけば無保険車との事故も恐くない!
今回お話したことが全てではありませんが、この記事がきっかけであなたの問題解決のヒントになったのであれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
以上、ひろけんでした!
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